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本の紹介「ウミショウブの花」

「ウミショウブの花」横塚眞己人著、福音館書店たくさんのふしぎ2013年8月号、667円+税


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【西村寿雄 20130918】
●「ウミショウブの花」横塚眞己人著、福音館書店たくさんのふしぎ

 場所は沖縄県西表島海岸。写真家の著者はあるとき水面に浮かぶ雪だるまのような奇妙な浮遊物に目をうばわれる。これが、ウミショウブという海草(ウミクサ)の雄花だと教えられる。この雄花はいったいどこから来たのか、どのような旅をするのか、どのようにして雌花にたどりつくのか、そしてどんな種を実らせるのか、著者の追跡が始まる。その過程が美しい写真で紹介されていく。ウミショウブの花は月に一度の大潮干潮時にのみ咲くという。海水面の変化をたくみに利用しながら、水面で静かに命をつないでいる神秘的な植物に見とれてしまう。月に一度のチャンスを忘れずたくみに命の受け渡しをしている植物に乾杯。
 謎解きをしているように読者もついつい引き込まれる。著者の感動が伝わってくる。

 お薦め度:★★★★  対象:海に咲く花に興味のある小学生から

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